理想のいもを追い求めて
みなさん、初めまして。尾藤農産の代表取締役 尾藤光一です。
私は北海道・十勝の芽室町の農家の4代目として生まれ育ちました。
私の小さい頃からの夢は、私の作った美味しい農産物を世界の人に食べて貰い喜んで貰うこと、物心ついた時から自分は将来農業をすると信じて疑いませんでした。
私はそんな生まれついての農家です。
そんな私が農作物の何が好きかと問われれば、ジャガイモが大好きと答えます。
みそ汁には必ずジャガイモを入れて欲しい。毎日の食卓にも必ず何かジャガイモを使った料理を入れて欲しい。それぐらいジャガイモを愛して止みません。
今から20年以上前の話しですが、妻と結婚した頃、私の強烈なジャガイモの愛し方に対して妻はこう言いました。
「イモは、たかがイモでしょ。」
ガツンと来ました。妻はイモに嫉妬したのでしょうか。私は人生を全否定さえてしまったかの様な衝撃を覚えました。妻はそんなにイモが好きでは無かったのです・・・。
良いイモを収穫するには、土のミネラルバランスを整え、微生物が住む環境を整え、適度に水と空気が入っているスポンジの様な生命力溢れる土を作る事が重要です。
私は、美味しいイモを作る為、地域の仲間と土作りの研究会を作り、イモを主食とする本場ドイツに研究に行き、日夜おいしいイモを育てる為に研究を重ねました。
結婚から二十数年・・・・。
私の影響からか、我が家の子供達もイモが大好きになりました。
ボールに山盛りの蒸したイモを、「ウマイ、ウマイ」と言って、アッと言う間に食べてしまいます。
妻が美味しそうにイモを食べる子供達の姿を見て、自分もイモを食べながら
「こんなにおいしいイモを家族で食べられて幸せよね。」
と言った。
妻の
「たかがイモ」発言、私は忘れていませんでした。当時も悪気は無かったと思う。
しかし、妻は今度は、ケロッとさり気なくそれを覆す事を言うでは有りませんか。
私の心は震えました。少し涙目になっていたかもしれない。
私の想いがこもったイモで、家族がささやかな幸せを感じているのだから。
「たかがイモ」の発言の事、妻に聞くと「そんな事言ったっけ?前から美味しいと思っていた」と反論された。全く覚えていなかった様だ・・・。
私は喜びをかみしめながら、今日も美味しいイモを作る為にいろんな工夫をしている。
これからも、家族や消費者の皆さんに感謝しながら、美味しいと言っていただける作物を作っていきたい。



